1 Jun, 2005「香港トランジット」
■旅は道連れ世は情け。

香港国際空港でのトランジットの待ち時間は約2時間。

まったく経験の無い僕にとっては、最初の鬼門...。
ほとんど一番最後に飛行機を降り、
ジャパニーズ「ダンタイ」客の横を通り過ぎ、
「ここかな?」という感覚のみで、
とある入り口に立っていた係員に次の便のチケットを見せ、
「This way?」
と、聞く。
それで済んだ....。

やはりその入り口でまごついていた女の子、
機内で通路を挟んで隣に座っていた子だ。
通路越しに何度が目が合ったので、話かけようかとも思ったけど、
ちょっと日本人かどうか迷うような顔立ち(...ゴメン(^^;)。
いきなりフィリピン辺りの言葉で話されても...とかも思っていた。
その疑問はこのとき解決しました。

僕の前に並んだこの女の子が手にしているのは、
まごうことなき「日本國旅券」と書かれたエンジ色のパスポート。
並んでいる途中、彼女の荷物が少し僕にあたって、
「あっ、すみません...」と、きっかけはあちらからやって来た。

「トランジットですか?」

どうやら彼女(Aさん)も一人で海外旅行をするのは初めてとのこと。
席が近いということは、同じ格安チケットの可能性が高い。
案の定、次の便は同じパリ行きだった。
香港での2時間を一緒に過ごすことに。

だだっ広い香港国際空港。いや、実際の広さは解らないんだけど...。
こんな時間だと言うのに、沢山ある免税店はほとんど開いてる感じ。
さすが買い物の街、香港.......の空港。
しかし何故かコーヒーショップは閉まっている。
乗り換えのパリ行きのゲートはすぐ側にあったのだけど、
とにかくまともなコーヒーを口にしたく、その前を通り過ぎて探し、
ほどなく見慣れたスタバの看板が...。
支払いは円でOKだったけど、おつりが香港ドル.....。
まぁ、帰りに使えばいいか...。

聞くとAさん、昨日会社を辞めて来ていて、
帰国の翌々日、次の会社に初出社するらしい。
また、それとは別に1年ほど前から友人と共同出資で渋谷にバーを開いて、
ほぼ毎晩手伝いで顔を出してると言っていた...。
今年29歳になると言っていたけど、
最近の若い娘はバイタリティーがあるなぁ〜。

今まで南国のリゾートや、韓国お買い物ツアーのような、
アジア圏の旅行の経験はあるらしいんだけど、
初のヨーロッパ、初の一人旅らしい。結構勇気ある....と思う。
格安のこのチケットを取ったのが10日前。
ネットでパリのホテルを予約したのが昨日。
フランス語の電子辞書を買ったのは、今日の午前中。
あぁ、どこかの誰か以上のドタバタさ加減....。

「ホテルの予約は取ったんですが、イマイチ場所が解らないんですよ」
と、二人でガイドブックの地図をみながら探したら、
なんと、僕のパリの友人宅からたぶん歩いて5〜6分の距離だった。
彼女は、知り合いの元パリ在住の人から、
いろいろと観光スポットを聞いて来たらしいんだけど、
土地勘がまったく無い。しかも女。
(一般的に地図が読めない...という意味です (^^;)
初日は一緒に行動し、僕の友達を紹介してあげることにした。
旅は道連れだし、世は情けだ。

そんな話をしていると、2時間はあっという間に過ぎ、
最初の難関、香港でのトランジットは、
無事、パリ行きの便に乗り込むことができた。
1 Jun, 2005「香港トランジット」End.

Aさん。僕以上にドタバタ、かつ、初めての一人旅。
バイタリティ溢れる女の子。昨日会社を辞め、今日は海外旅行(笑)