3 Jun, 2005「ミラノ行きの列車」
■再び世界の車窓から。

ベルガモの駅前のロータリーでバスは停まる。
ロータリーを挟んで駅の反対側に、
7日の夜に泊る「HOTEL PIEMONTESE」がある。
一瞬、7日の予約が取れているかどうか確認しようかと思ったが、
まぁいいか...と、そのまま駅構内へ。

さて、またまた並んでミラノまでの列車のチケットを買わねば。
たぶん旅行者ばかりのチケット売り場に10分ほど並ぶ。
その間、ミラノに住んでいるフリーカメラマンのNさんに電話。

Nさんとは今回が初対面。
'04年の春に、僕の先輩の劇団の公演のポスターのデザインをしたとき、
その先輩の同じく後輩であるNさんの撮った写真を使ったので、
その時のメールと電話のやり取りで知り合った人。
今回、せっかくミラノに行くので連絡を入れておいた。
3〜6日までミラノに居ない可能性がある...と聞いていたが、
今日の昼間は空いているということで、
ホテル探しとお昼ご飯に付き合ってくれることになった。
明日の早朝から仕事でスイスに3日間程行くらしい。
インターナショナルな人だ...。

チケット売り場の順番が来て、ミラノに行きたいことを伝える。
金額と時間を教えてくれた。あと、チケットの刻印のことも。
イタリア語の本で見た通り「Binario?(番線)」と聞くと、
「Uno !」と、親指を立てて教えてくれた。
そうだ。イタリア人は「1」は人差し指では無く、
「Good !」みたいに親指を立てる....と本に書いてあった。
「Thank you !」
あぁ、どうしても頭に真っ先にメルシーが思い浮かび、
それを飲み込み、早く挨拶せねば...と思うと、サンキューと言ってしまう。
頭の中で日本語を含め4カ国語がグチャグチャ。
迷う程言葉知らんのになぁ〜。

電車は既にホームに止まっていて、あと5分で出発というタイミング。
売り場でも聞いたし、掲示板にも出ているんだけど、
一応ホームに居た人に「Scusi,(すみません)Mirano?」と聞くと、
「Si(Yes)」と言うので乗り込む。
乗り換えはない。これに乗って終点まで行けば、いよいよミラノだ。

イタリアは、フランスと違い広い平野が広がる地形では無い。
また、イタリア北部と言ってもパリに比べるとかなり南になるので、
風景を構成する植生の印象が随分違う。
パリ近郊が北海道だとすると、こちらは関東南部か静岡?
なんだかとても日本に近い感じがする。
ただし、建っている建物はどれもこれもみんなおとぎの国。
赤茶っぽい屋根にベージュの壁の家が多い。
これがまた遠目から見ると美しい。
実際にその建物が綺麗かどうかは疑問だけど....。

途中、すごく高い位置で渓谷をまたぐ橋があり、
サービス精神なのか、橋の強度が弱いのか(笑)、
そこだけ異常に速度を落として走った。
かなりな絶景。(写真じゃ解らんね)

途中、空いていた向かいの席に、
中東系の顔立ちをした若者二人が座り、少しだけ緊張。
必要以上に警戒した訳では無いけど、黒人が何となく怖い...のような
低レベル、かつステレオタイプなイメージで...。
だけどイタリアは治安が悪い...と思うと。
...が、僕の不安を他所に、
彼等は盛んに携帯で話していたかと思ったら、眠ってしまった。
僕だって、今朝も早起きで眠いんだけどなぁ....。

列車の中から、日本に向けて何人かに携帯メールを出す。
この時間だと日本は夕方くらいか?
比較的すぐに全員から返事が来る。
その中の一通。
「もしかすると、日曜はムジェロに行くんですか?」という返事。
あっ!!
し、知らなかった。今週末はイタリアGPらしい。
一年に一度しか無いGP開催。
しかもここはバイクの本場、レース大好きな人達の国。
MOTO GPのモトと言えば、モトチクレッタのモトじゃ無いかぁ〜!
そのまさしく開催日にイタリアに居るのに....。
でも、日程やチケットのことを考えると、急に見れないだろうなぁ。
ドタバタして準備した大きな忘れ物が....。

1時間程でミラノ・チェントラーレ駅に到着。
向かいの二人組が先に出るのを待ってから降りようと、
リュックを持って一瞬待ったら、
笑顔で「お先にどうぞ...」という手振り。
こちらも笑顔で返す。
疑ってすんません。普通に良い人だった...。

しかし、まだ「Grazie」がすんなり出ない。
3 Jun, 2005「ミラノ行きの列車」End.

ミラノまでの切符。SNCFも同じ大きさだったけど、結構デカい(約横20×縦8cm)。
イタリア国鉄の略称は『FS』。

ベルガモ駅「ビナーリオ1(1番線)」。

高さが伝わらないけど、結構高い橋の上からの風景。

「ミラノ・チェントラーレ駅」のホーム。写真がベルガモから乗って来た列車。

みんなの写真を勝手に載せた罰に、写りの悪い僕のヘンな顔の写真を載せます。

ヨーロッパの主要駅お約束の行き止まりホームと、高い高い天井。昔は蒸気機関車が何本も停まっていて、煙が上から抜けてたんだろうなぁ〜という雰囲気。