3 Jun, 2005「バンコ?」
■銀行に入れない。

Nさんが、「土日は両替が出来ないよ」と教えてくれた。
ベルガモの空港で1万円分をユーロに替えたけど、
月曜までには、トリノ〜以降の列車の移動もあるし、
ちょっ現金が足りないかもしれない。
まずは銀行に行くことにした。

さて、荷物一式をホテルに置いて来てしまったので、ガイドブックが無い。
とりあえずミラノの地図を買い、
(ガイドブックの地図は細かい道の名前が載って無いので、
 いずれにしても欲しかったんだけど)
自分がどこに居るかを確認すると、銀行を探した......って、
ヤバイ、銀行のスペルが解らん!
イタリア語の本もホテルだ。
って言うか、ガイドブックが無いと、地図を見て現在位置は解っても、
施設の名前を知らないので、どこに何があるかまったく不明。

一度ホテルに戻るかどうか考える...。

が、とりあえず道に迷わなければいいか...と、そのまま行動。

で、銀行。
建物の感じはどの建物も同じように古い石造りのビルなので、
いかにも銀行っぽい..って感じは一見しただけでは解らない。
窓から中を覗いてみるか....。
社名らしき看板を見ていると「Banco 〜」という綴りがあちこちにある。
「バンコ、かぁ〜。やっぱりバンクかなぁ〜」

ラテン系のイタリア語と、ゲルマン系の英語とでは、
発音もスペルもまったく異なるものが多い。
「Apple→Numera(ヌーメラ)」
なんじゃそりゃ?
「アダムは禁断のヌーメラをかじり、人類最初の間違いを犯した....」
確かにアップルをかじるより間違いを犯した感じはするけどね。

比較的新しい物に関しては英語と同様のものが多く、
「AutoMobile→AutoMobile(アウトモービレ)」とか。
ただ、バンクとバンコは日本語で書くと一文字子音が違うだけだけど、
英語とイタリア語ではcとKが違う。(oも余計だけど)
が、伝統的なイタリア語のアルファベットには「K」が無い。
たぶん「Banco=Bank」だな。

という訳で、とある「Banco」の窓を覗いてみる。
どうやら銀行みたいだ。

入ってみよう。
が、入り口は円柱状のガラスのドアになっているんだけど、
何故か前に立っても開かない。
開くボタンでも無いかな?と見回すと、横にボタンはある。
でもイタリア語で書いてあるので、そのボタンが何かが解らない。
これを押してホントに良いんだろうか?という一抹の不安が...。
(ベルとか鳴りだしても嫌だなぁ....とか)
まっ、ドアは開かないしボタンは横だし「エイ!」と押してみる。開いた。
開いたんだけど、今度は円柱の向こう側のガラスの内扉は閉まったまま。
ということはこの円柱の中に一度は閉じ込められる訳だ。
明らかにセキュリティの為だと想像は着くが、入るのに数秒躊躇する...。
とは言え、これもラチが開かないので入ってみるしかない。
ヒョイっと中に入ると、外扉だけ閉まり始め、内扉は開かない。
緊張の数秒...。
そして外扉が完全に閉まるとほぼ同時に、内扉が開き始めた...。

ホッ...。
何もかもが冒険の連続...初めてのお遣い状態の僕。

中に入ると日本の銀行からは想像出来ない静けさ。
2人ほど客が居るので、営業中なのは想像できた。
1人がどいて、窓口がひとつ開いたので、
声を掛けチェンジマネーとか言ってみると。
まだ、前の人が終わってないのでちょっと待っててくれ...と。
座っていると、もうひとつの窓口の方が開いた。

前に言って声を掛けようとすると、手振りで制止される。
どうもこちらの窓口の人は、
自分の作業が終わる前に声を掛けられるのを嫌うようだ。
駅の窓口でもそう。

しばらくして手が開いたようなので、
円をユーロに替えたいというようなことを言ってみる。
なんか解らない言葉を発するんだけど、
どうやらここの銀行では無いと言ってるようだ。
(なんでさっきの人はそう言わなかったんだ?僕の聞き違い?)
「バンコ〜」
どうやら違う銀行名を言ってる。
「バンコ インテッサ」
隣の通りの方を指を指してそう教えてくれた。
いかにも面倒臭そうな感じで。

先ほどと同じように円柱を通過。外に出る。

さて、通りを渡った建物に、大きく「Banco Intesa」と出ていたけど、
入り口が解らなくて違う建物に入ってしまった。
そこのドアマン(ホテルじゃなくても居たりするようで)に、
銀行は反対側だよ....と教えられ、元の看板の位置に。
銀行の入り口がなぜか目立たない。これもセキュリティか?

ようやく入り口を発見し、今度は円柱に入る恐怖も無い.....と思ったら、
ボタンを押して入るタイミングが悪かったみたいで、
なんだか自動のアナウンスが流れ、外側のドアが閉まらない。
2回くらい間を置いてチャレンジしたら.....入れた。
初心者なんだから、いちいち驚かさないでくれ。

ここは数人の行列が出来ていたので、とりあえず並ぶ。
こっちはなんでも並ばないとダメだ。
って、日本の銀行が順番待ちを発券制にしたのは、つい最近か....。
なんでも便利なモノはすぐに慣れちゃうね。
今やコンビニにATMが無いと、心の中で「チッ...」とか思うし。
って言うか、こっちにはコンビニすら無い。

順番が来る。
今度はカタコト英語で問題無く通じた。
窓口のちょっと渋めのおじさんは、
日本の一万円札を珍しそうにしげしげと眺めていた。

さて、これで3日間は大丈夫だろう。
3 Jun, 2005「バンコ?」End.

ミラノの市街地図。通りの名前がすべて出ている。

今回持って来た本一式。

実際はなんとなく恥ずかしいので、ガイドブックはカバーを外し、イタリア語の本は本屋の包装紙カバーをして持って歩いていた。ガイドブックはボロボロになった...。

今回の重要なパートナーになった「指させば通じる旅のらくらく会話イタリア」。解らないときに自分が見るだけじゃ無く、イタリア人に見せて答えも指差して貰う。何よりこれを見せると結構ウケた(笑)
また、レストランテなんかでメニューを見るとき、写真入りのページでそれが何なのかを確かめられたのも便利。
超お勧め!

両替の明細。今回の旅で一番レートも手数料も安かったかも(134円/1euro)。現地ではまったく気にして無かったけど、レート(はその日でも違うだろうけど)も手数料も場所によって全然違ってた...。