4 Jun, 2005「カフェで朝食」
■客に干渉しないホテル(?)

目覚ましをセットするのを忘れたまま眠ってしまったけど、
6時前には目が覚めてしまう。

日記を書いていたら気がつくと8時頃になっていたので、
部屋を片付け荷物を整理する。
チェックインするときに朝食が付くかどうかを聞くのを忘れたので、
まぁ、無いものと思い、チェックアウトするつもりでレセプションへ。

レセプション...と言うか、下のフロアのどこにも誰の姿も無い。
大声で「Scusi〜!」とか「Buongiorno〜!」とか叫んでみるが、
何の反応も無い....。
10分程待ってみるけど、なんだか馬鹿馬鹿しくなって来た。
まぁ、支払いは昨日済んでるし、冷蔵庫の飲み物も飲んでないし、
「チェックアウトします」とメモと部屋の鍵をカウンターに残し、
出て来てしまった。
別に頭にはこなかったけど、一人も居ないってものどうなんだろ?
ちなみに玄関の自動ドアは電源が切ってあり開かなくて、
かと言って電源を勝手に入れる訳にもいかず(スイッチは解ったけど)、
重いガラスドアを手でこじ開けて外に出て、
開けっ放しという訳にもいかないので、また、うんしょと閉めたけど、
空き巣に間違われはしないかと、ちょっとひやひやした...。

朝食はホテルの並びのカフェ(Bar:バールか?)に入る。
カウンターがメインの細長くて小さい店。
例に漏れず相応の歳の店主っぽい人に、
とにかく何か食べたいと言うことをカタコト英語で伝えると、
こっちに来て選んでくれ...と言う感じで手招きされる。
そこに並んでいたパンの中からひとつを指差すと、
「ハムとチーズを挟むか?」と聞くのでお願いして、
飲み物はジュースとカプチーノを貰う。
「Quanto Costa?」とお金を払おうとすると、「後でいいよ」と。
「座ったら?」みたいな感じでテーブルを指差すので、
また一瞬言葉が出ず、やっと「Grazie」と言って座る。

こんな感じの普通のカフェの朝食が普通に美味い。
パンもハムもチーズも生オレンジジュースもカプチーノも。
この気持ちを誰にも伝えられないのがもどかしい。

もうひとり居る店員(やっぱりおじさん。もしやこっちが店長?)が、
新聞を読みながら朝食を食べていたのだが、
どうやら娘さんらしい女の子(小学校高学年くらい?)が側に居て、
たぶんパンの入った袋を手に持ちながら、店の中を行ったり来たり...。
スラッっとして(子供は大抵スラっとしてる。が、大人になると...)て、
顔も小ちゃくて可愛らしい。
一見やんちゃでわがままそうなその娘は、店内を歩きながら、
座っているお父さんとなんやかんやと話をしている。
何を言っているのかはまったく検討が付かないが、
仲は良さそうだし、お父さんの言うことはちゃんと聞きそうに見える。
イタリアの正しい親子関係を見た感じ?

食べ始めてからしばらくすると、
どうやら常連らしいお客が入れ替わり立ち代わり入っては出て行く。
親しい感じは「Ciao!」と店主と客が挨拶するので解る。
これもガイドブックか何かに書いてあったのだが、
本当にこちらのカフェでは朝はカプチーノを飲む為だけに立ち寄るらしい。
奥のテーブルに座って何かを食べる人はわずかで、
ほとんどの人がカウンターでカプチーノだけ頼み、
一口二口で飲み干すと、店に入って来てから3分と経たないうちに出て行く。
きわめて自然にそういう光景が何度も繰り返される。

凄く美味しかったので、イタリア語の本で「おいしい」を調べ、
お金を払うときに「Buono!」と「Grazie!」を満面の笑みで言う(笑)
ちなみにBuonoは「おいしい」だけでは無く、Goodに近い意味らしい。

歩いて昨日見つからなかったバイク用品屋を探す。
道を間違えて記憶していたことは思い出したので、
改めてNさんが車で通った道をなぞる。
ホテルは中央駅のそばだったが、辺りはあまり人が居ない。
土曜日の朝だからかなぁ〜。

10分程歩き、たぶんこの辺りだったはずなんだけど....と思う場所に来たが、
何かそれらしい感じ(昨日は店の前にバイクが何台も停まってた)が無い。
...と思ったら、真横に店があった。
まだ朝早くてバイクがほとんど居ないと、見過ごすくらい目立たない店。
店内は日本のナップスなんかとはちょっと雰囲気が違い、
割とものがゆったりと陳列されている。ゴチャっとした感じは皆無。
ただ、置いてある商品で特に珍しいものは無かった。
(勿論知らないメーカーのものは多い)
ロッシ※レプリカのヘルメットの種類がやたらと多いくらいか?
(※イタリアのレーサーで人気者。現在MOTO GPの4年連続の覇者)
その用品屋は思ったより面白く無かったので、そそくさと退散。

で、店に入ったときはまったく意識して無かったんだけど、
無言で「スゥ〜」っと店に入り、
店員と目を合わせるでも無く、何かを聞く訳でもなく、
日本と同じように、買わないのに話しかけられたらちょっとイヤだな...
なんて気持ちで店内を物色してた。
でも、これはこっちの人にとっては結構気持ち悪かったかも。
大きなスーパーのような店ならともかく、比較的こじんまりとした店。
そして、誰でも気軽に挨拶をすることですべてが始まるイタリア人。
それを考えると、無言で店内をウロつく日本人は不気味?
「僕はそんな気持ち悪い人間じゃ無いし、日本人が皆そうだとは.....」
って言いに、店に戻ってやろうかとも思った.....けど、
そんなイタリア語は知らないのが悔しい...。

店を出て少し行くと、昨日歩いた「ヴェネツィア通り」に出る。
今日の午前中の本当の目的は「レオナルド・ダ・ヴィンチ科学技術博物館」。
地図を見ると地下鉄のポルタ・ヴェネツィアという駅がすぐ側にある。
そこから地下鉄に乗って行くことにする。

地下に降りると閑散としている。これも土曜の午前中だからかな?
改札の横に自動券売機らしき機械がある。
モニターには4カ国語くらいの旗の絵が出ている。
(これはフランスとは大違い)
ユニオンジャックの旗を押す。
まず、チケット種類を選ぶらしい....。
選ぶ。
最初のイタリア語の画面に戻る.........。
う〜ん。
3回くらいやってみたけど、同じように最初の画面に戻る。
フランスと違う親切心はあったけど、テクノロジーが追いつかないようだ。
もしくは、僕の英語力が折角の親切心を踏みにじっているかもしれない...。

諦めて周りを見回すけど、切符売り場らしき窓口は見当たらない。
仕方無いので、側にあった売店のおばちゃんに、
(いかにもイタリアのおばちゃんという感じの恰幅の良さ)
メトロのチケットはどこで買うのか聞いてみる。
ここらしい....。
いろいろ説明してくれるけど、イタリア語と英語(英単語)が混じっていて、
どうにもよく解らなかったけど(それはおばちゃんの方も同じか....)、
1〜2回聞き返すと、どうやら1回券と24時間券、2日券があるらしい。
今日は午後トリノに行くので、何回使うか解らなかったが、
とりあえず24時間券を買うことにする。
たしかトラム(路面電車)とチケットは共通なハズなので、
昨日買ってトラムに乗れば良かった。

切符を買うと、今度は使い方をおばさんが親切に説明してくれる。
これも言葉よく解らなかったが、意味は理解できた。
最初は改札を通って、2回目以降は横の改札の無い通路を通れば良い...
と言ってるらしい。
24時間券は最初に刻印さえ押せば、後は持ってるだけでいいのか。
僕が解ってないと思ったらしく、3回くらい同じ説明をされた。
近所の面倒見の良いおばさんに言われてる感じ...。
こういところが大阪っぽいって言われるゆえんだろうか?
大阪に行ったこと無いから解らんけど...。
Grazie! Signora.

人気(ひとけ)の無い地下鉄のホームには、
それなりの音量でイタリアンロックが掛かっていて、
巨大なスクリーンには、なにやらCMの映像が流れている。
なんとなくファッションの街、ミラノ......っぽい。
しかし車内はパリと同じように暑くて汚い。
若干車内のデザインはお洒落な感じがしたが...。

途中のカルドナという駅(ミラノ北駅の前)で2号線に乗り換え、
サンタンブロージョ駅まで行く。
駅を出て、3分ほど歩くと博物館に着いた。
4 Jun, 2005「カフェで朝食」End.

誰も出て来なかったHOTEL 2000のレセプション。

HOTELの側のバール(だな)。入って来てはカフェを一気に飲み干し、2〜3分で出て行く人多数。それでもちゃんと店の人と話をしている。

きっとハデな看板を出す文化も無いだろうし、それを規制する法律もあると思うし、だから街並が奇麗なままなんだろうけど、とにかく目立たないバイク用品店。いや、この店に限らず....。

僕等の仲間内でちょっと懐かしいモト・グッチのV11。しかしこんなバイクでもこっちではキャリアを付けて荷物を積むのか...。

ミラノの地下鉄・トラム(バスもかな?)の24時間券。写真はDuomo。

映像が写らなかったけど、右の白い部分にCMが流れている。上の黄色い箱がたぶん投影機。

広く、ガランとしたホーム。日本の眩しいくらいに明るいホームと比べると、かなり薄暗い。

車内のデザインはお洒落。日本の鉄道じゃ絶対使わない配色。ただ、やっぱりなんとなぁ〜く汚れている感じだし....暑い。