4 Jun, 2005「トリノで迷子」
■地図を見ても解らない。

駅前は何やら工事をしていて、ぽかんと空間が空いている。
駅舎も小さく結構汚い。
ここがトリノの中心の駅でないことはすぐに解る。
終点まで乗ってしまえば良かったかも....と若干後悔。

駅から出てすぐの、すごく天井の高いアーケードは、
そこは駅前とは違って結構立派な感じの商店街が続く。
広い広場のある空間に出る。
その周りもアーケードが囲んでいるが、本屋は見当たらない。

その奥に進んで行くと、先が見えない程の長い直線の歩行者専用道路。
両サイドは店やホテルなどが並んでいる感じ。
5〜6分歩くと、その歩道上にある細長いプレハブの本屋。
なんでこの店だけ歩道の上に建っているんだろう?
という疑問を持ちつつ入り、今度はどの地図を買うか相当迷う。

店の中には(たぶん)ラジオの中継が流れていたんだけど、
その放送で、MOTO GPの予選の結果を知る。
ヴァレンティーノ・ロッシが一位だ。
やっぱりイタリアでは普通にレースの情報が流れるだろうなぁ。
本戦の結果ならともかく、予選だし...。

さて、なんとか選んだ地図は、水に濡れても破れにくい紙で出来た地図。
トリノのガイドブックが無いのでそれも買うかどうか迷ったけど、
(まぁ、せいぜい英語版しか置いて無いんだけど...)
明日行くつもりの「自動車博物館」の場所は大体の位置を覚えていて、
「Museo〜Automobile」と、それらしき名前が載っていたので、
まぁ、これだけで情報は十分だろ....と。

地図を買うとき、この本屋は地図上のどこなのかを店主に聞いてみたけど、
「通りの名前を索引で探して、そこに出てる番号で場所を探すんだよ」
と、僕の質問が伝わらなかったのか、説明するのが面倒だったのか、
とにかく今いる場所を教えてくれなかった.....が、
地図の使い方はわかったので、探してみることにした。

店を出て、通りの名前を確認する。
ところが索引の中に、今自分が居る通りの名前が無い....。
おかしい。小さな道の名前を端折る程、大雑把な地図には見えない。
細かい道まで全部名前が記載されているように見えるんだけど...。
(実は裏側にも索引があったのに気づかず...)
とりあえず駅から来たと思われる道を地図上で辿ってみる。
しかし、自分の居る場所の通りの名前が出てこない。
一度駅まで戻ろうかとも考えたけど、結構歩いたから面倒で、
とにかく大きな目印にぶちあたらないかと適当に歩き始める。

通りの真ん中が公園になっているような、大きな道に出た。
自分の記憶をたよりに地図上で来た道をトレースし、
この大きな道を探してみる....が、それと思われる地図上の場所には、
この道の名前が出てこない。
今度は逆方向に歩き、それなりの大きさの教会の前に出る。
教会の名前を地図上で探してみるが.....見つからない。
う〜ん。
何度も駅から歩いて来た道を思い出してみる....。
あっ!?
記憶を一カ所抜かしていた。
ポルタ・スッサの駅を出て、ずっと真っすぐ来たつもりでいたんだけど、
その道は店が無さそうだったので、すぐに右横に変えたんだった。
気づいた瞬間アッという間に自分の居場所が解る。
なんだか凄くホッとするとともに、
自分の記憶力の無さと言うか、思い込みの強さにげんなり...。

さて、やっと地に足がついた感覚で歩き始め、改めて周りを見てみると、
なにやら街の中心部らしき広場(カスッテロ広場)が騒がしい。
バンドの演奏が聞こえるけど、とにかく大勢密集していて、
ちょっと広場の中には入っていけない感じ。
やたらと警察官も沢山居る。
'06年の冬期オリンピックに関するイベントだろうか?

カメラを構えて通りの雑踏に向けると、
若者4〜5人のグループが、歩きながらいろんなポーズをしてくれた....
が、シャッターチャンスを逃した....。
バッテリーがあまり持たないので常に電源を落としてるんだけど、
起動するのを待っているうちに、彼等は僕の横を通り過ぎて行った。
かと言って、こまめに電源落とさないときに限って...だろうし。
なんでデジカメってこんなに電池を喰うんだろう...。

とにかく重い荷物を降ろしたい。
トリノの中心駅と思われるポルタ・ノヴァ駅周辺でホテルを探すことにする。
明日、トリノにもう一泊して明後日ヴェネツィアに向かうか、
或は魅惑のフィレンツェに向かうかは、まだ微妙に決めて無いけど、
いずれにしてもポルタ・ノヴァ駅からの列車なんだと思う。
調べた訳じゃ無いけど、遠くに行く列車はどの街も中央駅からの出発だろう。

トリノのホテルの情報を何も持っていないので、見た目で選ぶしか無い。
建物そのものはあまり大差が無くて解らないので、入り口から中を覗く。
ロビーがちょっと良さげな雰囲気だと、大抵は四つ星で、
三ツ星のマークのあるホテルの入り口を覗くと、微妙に怪しい感じ...。
結局、ホテルを探し始めてから1時間近く歩いた後、
駅の横に、「HOTEL GENIO」というマトモそうな三ツ星ホテルを見つける。
結構疲れたんで、ここですぐに決まると良いんだけど....と期待しつつ、
ホテルに入り口のドアを押す。
4 Jun, 2005「トリノで迷子」End.

駅から少し歩いたところの広場。両サイドの建物の1階はアーケードになっている。そして広場には小型車ばかり『グチャッ』と路駐。

上の広場を背に長く真っすぐ続く歩道。先に行く程、凄い人の数が...。

トリノの地図。水に濡れても破れない!...らしい。

今回動いた辺り。ポルタ・スッサ駅はもう少し上の方なんだけど、画像を繋げるのが裏面なので省略...。

普通に迷子の僕...を撮ったつもりが、トリノ版「地獄の黙示録」に...。
ちなみに顔が赤いのは酔っぱらってる訳では無く、パリ以来毎日晴天で、出国後まだ4日目なのに結構焼けたせい。という訳でサングラスを外すと目の周りだけ白い。

コインを壷に入れるとちょとだけ動く、黄金の「人」。最近日本ではこういう大道芸をする人が減ったような...。

正面奥の建物の前がカスッテロ広場。広場の中は身動き取れないほどの人。

これも起動が遅くシャッターチャンスを逃したもののひとつ。長い長い列車のような路面電車....の筈が、長さが伝わらない写真になった。

トリノは'06年の冬期五輪開催地。ポルタ・ノヴァ駅前のモニュメント...って言うか、あのオッサン邪魔。

HOTEL GENIO。結構歩いて、やっと入ってみる気になった三ツ星ホテル。