5 Jun, 2005「アウトブス45番」
■リンゴット?.....なんだっけ?

またもや自然に早起き。6時頃に目が覚める。
シャワーを浴び、日記を書き始める。

気がつくと朝食の時間が近づいていたので、荷物をまとめ、
1階(イタリア式には0階)のダイニングに。
朝食はバイキング形式。
席に着くと、ウェイターがカフェが飲むかどうか聞いて来たので、
カプチーノをお願いする。このウェイターも感じが良い。
ダイニングもこじんまりとしてはいるがなかなかの雰囲気。
このホテルはすべてにおいて好印象。65ユーロは安い....と思う。

チェックアウトのとき、昨日のフロントマンとは違う人だったけど、
こちらの人もニコニコしていていい感じだった。
自動車博物館へ行くバスの乗り場とバスのチケットをどこで買うか、
フィレンツェ行きが出る駅が、ホテルのすぐ側にある、
ポルタ・ノヴァ駅からで正しいこと等を教えてくれ、
行き先等をイタリア語でメモ紙に書いてくれる。
チケット売り場やバス乗り場に見せれば大丈夫だ...と。

駅の構内で新聞や雑誌を売っている売店(キオスクみたいな)を探し、
ホテルマンに書いて貰ったメモを見せて、ムゼオに行きたいことを伝える。
なんとか往復分のバスのチケット2枚を購入。
すべてがカタコトでのやり取りは相変わらずスマートでは無いが、
目的のチケットを買う度胸だけは着いた....。

「45番のバスに乗ればムゼオの目の前に着く」と教えてくれたのだが、
駅前のバス停を見ても、45番の表示がどこにも見当たらない。
バス停に居る人に聞いてみたが、その人も周り居た人も解らない。
なにやら駅の向かい側に行ってみれば?...みたいな言い方をしてくれたが、
ほとんど何を言ってるのか解らず、とりあえずお礼言いその場を去る。
バス停に居た数人の人達には、英語(単語)はほとんど通じなかった。
仕方ないので、再度地図を見て、たぶんこっち....と思われる方向に歩く。

ちなみにイタリア語でBusはAutobus(メモの文字は読めんかった)。
読み方はそのままほぼローマ字読みで「アウトブス」。
停留所の人に「バス」と言っても一瞬通じなかった。

ホテルのフロントマンが地図に印を着けてくれた場所に来る。
なるほど。
バスがここを通るという意味だと思って印を見ながら説明を聞いていたが、
どうやらここがバス停という意味だったらしい。
ちゃんと言葉を解ってないとこうなるね。
駅から300m程歩いた所に、45番のバスの表示がある停留所発見。
しばらく待つ。

バス停のベンチに腰掛けていた老人と目が合ったので、
ちょっと声を掛けてみるが、やはり英語が全然通じなくてダメ。
なんとなく疎外感。

やけに良い天気。
空に時々飛行機雲が描かれる...。

20分程待つ。
しかしバスは来ない...。
明らかに旅行者だったけど、他に人も居ないし(さっきの老人を除き)、
その旅行者風の人にバスの停留所がここ正しいか聞いてみる。
まずはホテルマンの書いたメモ紙を見せ、
地図を見せて行先を説明しようとしたらメモで十分だったらしく、
「OK」と手で遮られた。
やはりその旅行者風の人もムゼオに行くバスは解らなかったようで、
のどかで人気(ひとけ)の無いバス停から立ち上がり、
少し先の横断歩道を渡っている人を呼び止め、聞いてくれた。

僕とムゼオがある方向とを交互に指差しながら何か話している。
バス停がここで正しいかどうかを聞くにしては随分話が長い。
その人が挨拶をして戻ってくる。僕もその歩行者にここから「Grazie」。
どうやらフロントマンに教えられた45番のバスは、
理由は解らないけど中々来ないらしい。
代わりに1番か35番のバスに乗り、CTOを目指して行けば良い....と言う。
(CTOってなんだろ?...と思って調べたら、ムゼオの隣の大きな病院だった)
「ペンは無いか?」という仕草をするので、
紙とボールペンを出す。何やらイタリア語で書いている。
「これをバスの運転手に見せて」というようなことを言い、メモを渡される。
そしてバス停はここでは無く、道の反対側に見えるあそこだと指を指す。
Grazie mille.
見た目は無愛想なんだけど(失礼!)、すごく親切な人だった。
って言うかイタリアに来てからは、みんな親切な人ばかり。
(とは言え、やっぱり気は抜けないけど)
そのバス停に行くと、丁度そこに来たおばあちゃんにも聞いてみる。
英語はまったく通じて無いようだったけど、
とりあえず紙を見せたら「そうよ。ここよぉ〜。大丈夫よぉ〜(想像)」
という感じでニコニコ話してくれる。当然言ってる意味は解らない(笑)

5分程待っていて、早く来ないかなぁ〜とバスが来る方向を見ていると、
ハザードを点灯させながら、とてつもなくゆっくりと1番のバスが来る。
本当にゆっくりゆっくり進んで来て、ようやく目の前に停まるが、
今度はドアが中々開かない。
運転手が何度も何度もスイッチをカチカチやっているのが見えるけど、
やっぱりドアは開かない。
今度はアクセルを踏み込んでエンジンの回転を上げて、
再度スイッチを触るとやっと扉が開き、乗客全員そこで降ろされてしまう。
見ている限り、特別説明も無く、乗客も文句を言う風でも無い。
全員が全員「やれやれ...」という感じ。
日本だったら、絶対誰かが文句を言い始め、それに追従する人が何人か出て、
運転手はその対応にあたふたと負われる......はず。
が、
そのバスはまたヨロヨロと走り始め、どこかに去って行く。
凄いぞ、イタリア!

程なく今度は35番のバスが来る。
先ほど降ろされたバスの乗客の大半がこれに乗ったので、
結構満員御礼なバスになってしまう。
さて、注意深く地図を見ながら着く停留所ごとに名前を見るが、
気づいたときには結局目的の場所より先に行ってしまうしまう。
35番のバスはムゼオの前を通らないから、よく解らなかった。

500〜600mほど歩いて戻らないといけないようだ。
犬の散歩で歩いていたおじさんに声をかける。
「Scusi?」
「Prego?」
ここで初めて気になったのだけど、
イタリアに来てから誰かに声をかけると、必ず「プレゴ」と言う。
ホントにどの駅でも店でもホテルでも街の人でも、
判で押したように「Prego」。
いまひとつ正確な意味がつかめない。
電話の応対の「Pronto」みたいな決まり文句だと思うんだけど...。
イタリア語の本には「どういたしまして」とある。
でも、「Scusi(すみません)」と聞いて、
「Prego(どういたしまして)」は変だ。
確かに「Grazie」と言っても「Prego」と言うから、
「どういたしまして」という意味もあるんだろうが....。

犬の散歩のおじさんは、最初「Lingotto?」とか言ってた。
「Museo〜Automobile」と言ったらすぐに解ったけど...。
一応道を聞いて「Grazie」と言うと、やっぱり「Prego.」
う〜ん。プレゴが耳に残る。
ところでリンゴットってなんだっけ?聞いたことがあるぞ。
さっきバス停の名前にも、リンゴットって出て来たなぁ。

バス停で2つくらいの距離のはずだけど、歩くとちょっと遠い。
広く(比較的)整備された道を歩く。
少し近代的(ではあるけど伝統的な色の)なマンションが立ち並び、
広い普通の公園なんかもある。
フィアットの工場が近いから、ここはそのベッドタウンだろうか?

マンションの間の道の向こうに見える5階建てのビルの上に、
球体のガラス張りの建築物がある。
あっ、あれだ。確かあれがリンゴットだ。
雑誌で建物を見た記憶があるから、有名な建築物なんだろうけど。
それが何だったかをどうしても思い出せない。

しかし今日も天気が良く暑い。
と言っても湿気が無いので日本の蒸し暑さでは無い。
ただ、やはり歩いているとやはりけっこう暑い。

バスを降りてから汗をかきつつ15分くらい歩いて、
やっとムゼオ・オートモッビレに到着。
駅からタクシーでくればたぶん10分掛からないくらいの距離を、
探す、待つ、歩くで、1時間半以上掛かってしまった。

さて、フィアットの聖地にある自動車の博物館に入ろう。
5 Jun, 2005「アウトブス45番」End.

イタリア3日目の朝食。穴の空いたチーズがアニメっぽい。バイキングと言う割に質素に見えるが、朝から喰えないので取らなかっただけ。これでも微妙に多い。でも、どれも美味しかった。

テーブル席がある側はこんな感じ。

バイキング形式の朝食。それなりのホテルの趣きがある。

HOTEL GENIOの明細。

フロントマンが書いてくれたメモ。左が「バスのチケット2枚」、右が「(45)→降りる停留所名、ムゼオ・デッレ・アウトモービレ(自動車博物館)」と書いてある。しかし汚い字だ(笑)

バスのチケット往復分。駅の売店でゲット。

しばらく待った停留所。45番の文字が見える。

停留所の前の風景。正面はたぶん駅舎(こちら側に入り口は無い)。
旅行者風の人は、写真の赤い服の人と同じところを歩いていた人を呼び止め、ムゼオに行くバスを聞いてくれた。
いや、しかし、空がひたすら青かった。

旅行者風の人が書いてくれたメモ。1文字読めないんだけど、「1か35番線の停留所からCTO病院停留所行き、ムゼオ・デッレ・アウトモービレに〜。グラツィエ。」みたいなことが書いてある。
これも汚い字。

イタリアに来てから初めて見る近代的なマンション。とは言え、やはりイタリア的な色調は健在。

マンションの間の道から突然見えたリンゴット。

いつも利用しているShellのスタンドも、こちらのではなんとなく可愛いく見えるのは、気のせいか?