5 Jun, 2005「自動車博物館」
■そうだ!リンゴットって...。

元フィアットのお偉いさん達が出資し合い、
この自動車博物館を作ったそうだ。
でもFIAT車に限らず、世界中の歴史的な車を展示している。
(何故か日本車は一台も無かったけど...)
「No Photo」の表示があったが、
受付のお兄ちゃんに聞いたら撮っても良いと言われたので、
普通に写真を撮る。

ホントに古い車が良く揃っている。
「T型フォード」なんて歴史的な一台も、本物を初めて見た。
時代的には自動車の始まり(蒸気機関の自動車があった)から、
60年代後半か70年代初期くらいまでが中心だろうか。
入り口付近には最新のプロトタイプレーサーやコンセプトモデル。
あとF-1が02年のモデルまで置いてあったけど、これは例外か。
一カ所だけバイクのコーナーもあったが...。

日曜日というのに、まだ午前中のせいか、ほとんど人が居ない。
それとも、あまり人気のある施設では無いのかな?
確かに展示物は歴史的な車が数多いんだけど、
例えばホンダのもてぎのコレクションホールのような華やかさは薄い。
途中で何度かすれ違った歳の離れた二人組が居たんだけど、
(見た目60〜70歳と20代前半くらい。おじいさんと孫?)
年上の方が、一台一台必ずコメントを若い方に伝えている。
ここにある車、全部知ってるのか?
すごいぞイタリアンおじいさん!
まぁ、何を言ってるのかは全然解らなかったけど...(笑)

さて、ぜひ紹介したい車達が多いので、
今回はこちらのスペースで写真掲載!

このWRC仕様がカッコ良くて、一時ホントに欲しかったランチア・デルタ・インテクラーレ。結局プラモデルだけ購入(笑)

近年のアルファロメオ人気復活の立役者となった、Alfa155のDTM(ドイツツーリングカー選手権)仕様。

ドゥカティ851スーパーバイク。当時この音にしびれてツインバイクの世界へ...。

T型フォード。世界で初めてベルトコンベアによる大量生産方式で作られた車。

ロールスロイスとFIAT。昔から両車のコンセプトは変わらない。

アルファロメオの名車、ジュリエッタの木型。当時の職人技を感じさせる。

100年前のFIATのマーク。現在のマークは100周年時にこのイメージを踏襲。

いくら先端が平じゃ無いからって...。

素敵すぎる。確かBMWにも同じ形があったなぁ。これはFIATらしい。

FIATと言えば、これを思い出す人が多いのでは?いわゆるルパンの車。FIAT500(チンクェチェント)。

大昔のアルファのスポーツカー。キュート。後ろの壁にはアルファのマークのレリーフが。

何故か「ガワ」だけ展示。

展示物の中に、古いリンゴットの写真があった。
そっか。あれはフィアットの旧社屋だ。
あのビルの屋上には、バンク付きの『石畳の』オーバルコースがある。
それを見守るかたちでガラスの球体が...。
たぶんこの球体をして「Lingotto」という名称が着いてると思うが、
形は似ているけど、リンゴットはリンゴの意味では無い。
(そう。リンゴは「ヌーメラ」)
イタリア語の辞書を引いたら「鋳塊」と出て来た。
鋳型に流し込んで固化させた金属買の塊の意味だそうで...。
なぜ、ガラスの球体がリンゴット?

そんな訳で急に興味が出て、リンゴットにも行ってみることにした。

その昔、イタリア有数の大企業の本社の象徴として、
トリノの片隅に鎮座していたリンゴットは、
今はシネコンもある巨大ショッピングモールになっていた。
数年かけて改築したばかりらしい。
ショッピングモールは旅行者から見ると平凡だけど、
建物をそのまま使うところがイイ。
耐久性の問題があったとは言え、大手町の丸ビルなんかと比べると...。
しかし屋上のリンゴットのガラスドームもそうだけど、
是非、石畳のオーバルコースも見たかった.....が、
それらしき見学コースの入り口は閉まっていた。
残念!
まぁ、「またトリノに来い!」...ということか。
ショッピングモール自体は、最近日本にいくらでもある感じで、
特別見るところは無い。
「ここはさいたま新都心」と思えば、思えなくも無い。
ずっと古い街並みばかり見て来たので、意外と言えば意外だったけど...。

まぁ、そういうことで、早々に興味を失ったリンゴットを後にすることに。
建物を出るとき、斜めに降りるガラス張りのエレベータが面白かったが、
なんでエスカレータにしなかったんだろう?(笑)

ポルタ・ノヴァ駅まで戻りフィレンツェに向かうことにした。
そう。フィレンツェに行くことにしたのだ!
昨日、ミラノから来る列車で一緒になった女性から聞いた言葉。
「断然フィレンツェが素敵!」が、どうしても忘れられなかったのと、
なんとなくトリノでもう一泊して時間を作り、
レンタルバイクで山の方にでも行ってみようかと思っていたけど、
そういう情報が何も無かったので、ちょっと困難かなぁ〜と言うのとで、
少し遠いし時間も無いけど、ホテルに泊まるだけでも良いかなぁ〜と、
やはり『魅惑の』フィレンツェ行きを、夕べから考えていた。

さて、フィレンツェまで何時間掛かるか解らない。既に時間は12時半。
....と、来るときにバスを降りたリンゴット横の通りに出ると、
そこは一方通行になっている。逆方向のバス停がある道が解らない。
たまたま歩いていた女の人に道を訪ねてみる。
やはり英語がほとんど通じなかったが、
ローマっ娘ということは解った。
僕は日本人だから英語もイタリア語もよく解らん...と言うと、
私はローマっ娘だから英語も日本語も解らない...と返して来た(笑)
言葉があまり通じない...と、彼女が解った瞬間。
一本隣の道のバス停まで連れていってくれた。
なんだかみんなホントに親切。

彼女もバスのことはよく解らなかったらしく、
バス停に待っている人に、ポルタ・ノヴァ駅行きのバスを聞いてくれる。
僕はみんなに対して「Grazie !」の連発。
先に1番のバスが来て、それに乗る人に一応確認すると、
既にすぐ後ろに見えて来ていた35番のバスを指差す。
やっぱり行きと同じ番号な訳ね。
(でも1番のバス停も、駅の側にあったような.....)
帰りはさすがに降りる場所は解るが、やはり注意深く通りを見守る。

リンゴット側の停留所から10分程で、ポルタ・ノヴァ駅に着く。
5 Jun, 2005「自動車博物館」End.

入場券。安っぽい....(笑)

入り口の真横に並ぶレーシングカー達。

何故かフランスのビバンダム(ミシュラン)モノが...。たぶんエアコンプレッサかな?マニアの間では高そう。

あり得ない黄金の組み合わせ。

展示部分の一部。最近の車が少ないところを見ると、この施設は元フィアットの役員達の単なる趣味なのかもしれない。

最上階のF-1の展示室。しかしイタリア人って赤好き。柱が全部イタリアンレッド。ちなみの僕が今回持って行った4枚のシャツのうち3枚は「赤」。決して「アカ」と読まないように注意。

ムゼオとリンゴットの間で発見。くたびれた旧車のCB400Fが、イイ感じで街に馴染んでいる。

リンゴットの北側の入り口を入ってすぐの吹き抜け。各フロアは奇麗な(日本のような)ショップが並んでいる。

見上げたところ。きっと昔はここをテスト車が登って行ったに違いない。

リンゴットを真下から。

未来のバレンティノ・ロッシはここから育つ!?

リンゴットの外観。かなり大きく細長い建物。屋上には石畳のオーバルコースとガラスのリンゴット。

ローマっ娘がつれて行ってくれたバス停(赤い服の人ではありません)。