5 Jun, 2005「ジェノバ、ピサ...は通過」
■長い長い列車の旅。

トリノを出て、しばらく普通の田舎の風景を走っていたが、
30分くらいしてから段々と山が険しくなってくる。
途中長いトンネルがある。本当に長い。
トンネル(に限らずだけど)土木先進国は日本だと思っていたけど、
まぁ、先進国じゃ無くても山があればトンネルは長いか....。
むしろ日本はなるべくトンネルを掘らないで済むよう、
山岳部は直線的に線路を敷かないはずだけど、
イタリアはそうでも無いのかな?

トリノを出て2時間程でジェノバの駅に着く。
ジェノバと言えば「母を訪ねて三千里」で、
マルコがアメリカに出発した港町だ。
....が、駅からはそれらしい港町の雰囲気は何も見えない。
しかも僕の席の目の前は石垣の壁。
なんとなく残念。

ジェノバを出てから2時間程は、海岸沿いの同じような風景が続く。
明らかにリゾートっぽい地中海側の雰囲気。
山と海が接近していて、山肌に家々がへばりついている。
東伊豆を伊豆急に乗って走っている感じに近いかも。
但し、斜面に建っている建物はどれもこれもカラフルだし、
建物の多さはこちらの方が上。

途中(駅名見なかった)で海水浴客らしき人々が大挙乗り込んで来て、
それまでガラガラだった車内はいきなり満席。
向かいに座ったのは英語圏の国らしきバックパッカー女性二人。
真っ赤に焼けてる。巨大なリュックを背負ったまま座る。
旅のせいか、海水浴のせいか、日焼けのせいか...、
相当疲れている感じで時々何かを早口で言うだけ。
英語なので発音には親しみがあるんだけど、
ネイティブの英語は早すぎて聞き取れない...。

その満員の海水浴(?)客たちも、駅2つ程で大半が降りていった。

風景が少し内陸的な感じに変り始め、
距離的にはあと少しでピサというところで、繰り返し停止信号(たぶん)。
最長は20分間くらい停まっていた。
車内アナウンスが一度だけ、しかも何度も停止した後にイタリア語のみで。
何を言ってるのかさっぱり....。

結局ピサ到着は8時近かった。
2時過ぎの列車だったので、6時間近く乗っていたことになる。
フィレンツェ行きの列車の時間がボードに表示されているが、
時計を見ると既に25分ほど経過している...が、
まだ表示されているということは、待ってるのか?
早足でホームを移動。
列車は居たが、25分も遅れて停まっているせいか車内は満員状態。
一応、ホームに立ってた人にフィレンツェ行きを確認して乗り込む。
なるべく空いているところに...と、列車の端の方に行って乗ると、
なんだかティーンエイジャーらしき集団と、
小学生くらいの集団(ボーイスカウト?)で一杯。

列車は程なく出発。
満席だったので僕はデッキに立っていたんだけど、
周辺には高校生くらいの男女(もしかすると中学生?)が数人。
日本人と違って身体もでかいし、それにやたらとベタベタしている。
あぁ、なんだか見た目だけは「ビバリーヒルズ白書イタリア版」みたいだ。
そんなシーンの中でも、
男が、少し大人っぽい女の子の前でなんとなく格好つけている様子が、
少し子供っぽくもあり、万国共通でもあり....。

その、ティーンエイジの群れは、
ピサの次の駅で全員降りていったので、あっけなく座れた。

少し退屈な風景。
北に見える遠くの山の方は曇っているが、
列車が走っているこの辺りは、相変わらずすっきりとした快晴。

谷間をゆったりと曲がりくねって抜けきった辺りから、
だんだんと都市周辺の街並みが形成させる。
関東近郊という感じ...と言っても、
東京のようにダラダラと街と住宅が続くような感じでは無い。
ただ、やはりミラノ、トリノに比べると普通の街並みが続く。
ミラノもトリノも、それまで家のまばらな牧歌的風景だったのが、
いきなり古い建物が密集する中心部に変貌したので、
少し日本っぽくもあり、今までのイタリアからすると若干の違和感。

と、思っていたら、フィレンツェ・チェントラーレ駅に着く直前から、
突然古い街並みが目の前に広がる。
やっぱり古い街並みを残そうと努力してるんだろう....という印象。

フィレンツェ到着は夜9時。
ミラノ、トリノよりはかなり南に位置しているので、
この時間でも少し薄暗くなり始めている....って、
もう夜9時だからね...。

ミラノやトリノと比べるとかなり質素な駅。
まぁ、普通なんだけど。
結局トリノを出てから7時間掛かって到着。
さすがに今日の移動は長かった....。
5 Jun, 2005「ジェノバ、ピサ...は通過」End.

たぶんジェノバ駅のホーム。ジェノバで写真を撮ったかどうか、忘れた....。

たぶん(笑)ジェノバの次の駅(ジェノバ・ネルヴィ)。ジェノバから先は、しばらく海沿いの風景が続く。
ホームの少年はジッとこちらを見ていたが、手を振ると目をそらした....。愛想ねぇな。

久々に「世界の車窓から」シリーズ。題名『カラフルな東伊豆』。

引き続き「世界の車窓から」シリーズ。...えっと、このホーム、どこだっけ?

暗くなり始めているのでブレてます。フィレンツェのホーム。さすが観光都市。旅行者が多い。

左奥の列車にピサから乗って来た。
真ん中で座っている女の子のバックパッカー。その荷物、一人分じゃ無いよね?