7 Jun, 2005「ベルガモ着」
■この旅の友が.....。

駅前のロータリーを抜け、真ん前にあるHotel Piemontesに入る。
ここは出発前に、散々メールのやりとりで苦労して予約を取ったホテル。
今考えるとまったく余計な苦労をした。
クレジットカードのが身分証明になることを知らなかったので、
僕は「予約の確約が無いのにクレジットカードの番号を送れない...」と、
お互いに食い違った内容のメールを何通かやり取りをしてしまった。
しかも翻訳サイトを使った英訳がいい加減だったこともあり、
たぶん僕の意思も中々伝わらず...。

このホテルはボーベーのCity Hotelのように、
FAXで予約番号を返送して来る...というようなことは無かったので、
メールのプリントアウトとか見せようと思ったら、
名前を言うだけですんなり部屋に。
(まぁ、普通、予約を取ったホテルってそうだよなぁ...)

部屋は、今回の中ではさして広くない部類(ヴェネツィア程じゃ無いが)。
でも、シティホテルの様なシンプルで落ち着いた雰囲気がある。
その感じはトリノのGENIOと同レベル。
ここもバスタブは無いけど、シャワーの仕切りはガラス扉になっている。
シャワールームの赤の色やクロームの使い方がお洒落。
部屋の広さの割にはベッドもセミダブルで広く、
クローゼットの中の金庫もiBookが余裕で入る大きさ。
まぁ、こっちのホテルの部屋の金庫を完全に信頼できないんだけど....。
(とは言え、フィレンツェではお金を入れてた...)

と、ここでリュックを解き、荷物を整理していて気づいた。
ずっと旅の心強い味方になってくれていた、
指差しイタリア語の本が見当たらない。
セレプションのカウンターだろうか?
とりあえず見に行く。

部屋を出て、ロビーまで降りて見回してみるが、見当たらない。
レセプションの女性に聞いてみても、見てない...と。

ホテルの表側の窓のところで、
プリントアウトの紙を出したときだろうか?
さっき立ち止まってリュックを置いた窓枠の所を見てみるが、無い。

結構ショックだ...。

今日でイタリアは最後だし、
もう一冊イタリア語の簡単な本があるので、まぁ、困ることは無いけど、
あの本のおかげで随分いろんな人とコミュニケーションが取れ、
本当に役立ってくれた本だった。
それと、ヴェネツィアからベルガモまでのチケットも挟んだままだ。
たぶん、列車の中に置いてきてしまったんだろう。
座席のところで出してあった記憶はある....が、しまった記憶は無い。
初日のパリで、携帯電話は取られずに済んだけど、
それが故、この本は一番のショックになってしまった。
金銭的にはたいしたこと無いけど、仲間が急に居なくなった感じ。
列車のチケットと使い込んだ感じは戻って来ないが、
東京に戻ったらもう一度同じ本を買おう....。

気を取り直して、たぶんこの旅最後の洗濯をする。
Tシャツを干そうとロッカーのハンガーを使おうと思ったら、
ハンガーの先端がロッカー側に残ってしまい、他の場所に吊るせない。
盗難防止策かな?
日本から持って来たはずの物干紐は、
たぶんミラノのホテルに忘れてきていたので、
ハンガーが使えないと微妙に物が干しにくい...。
部屋のあちこちに洗濯物をひっかけ、最後の洗濯終了。

さて。チッタ・アルタと呼ばれる旧市街に行くことにする。

レセプションの女性に、どうやって行ったら良いか聞くと、
どうやら駅前からバスに乗れば良いらしい。
ただ、なにやらUnoと言ったりエイトと言ったり、よく解らなかった。
まぁ、駅に行けば解るだろうと、お礼を言ってホテルを出る。

さて、僕が持ってるベルガモの情報は、
ガイドブックには数行の原稿と一枚の写真しか無い。
当然街の地図なんて載ってない。
飛行機が着陸するまでは、どんなに小さい街なのか?と思っていたが、
結構市街地は広い。ちゃんと街。
ということで、まずは駅の売店でベルガモの地図を買うことにする。
たぶん売店でバスのチケットも売ってるだろう。

ホテルの前の道を渡り、さっき通ったロータリーを抜け、駅へ。
改札横にある売店でベルガモの地図を探す.....が見当たらない。
ヒゲの店主に聞いてみると、ゴソゴソと引き出しから出し始める。
なんでまたそんなところに地図を....。
地図を買うときに、チッタ・アルタへのバスのチケットが買えるか聞く。
ビンゴ!
往復分の2枚を購入。
で、どこで乗れば良いかを聞いたんだけど、
たぶん使い慣れたイタリア語の本が無いことの不安感もあり、
あまり英語が出来ない売店の店主の言ってる内容が解らず、
一瞬、困ってしまう...。言葉がうまく(いや元々うまく無いけど)出ない。
言葉というか、何か気持ち的に声が出ない感じ...。
その様子を不憫に思ったのか、たまたま隣に居た黒人の人が、
はっきりとした英語でバスの番号をを教えてくれた。
1番のバスに乗れば良いらしい。
あれ?ホテルの人は「エイト」って言ってたけど....。
まっ、いっか...。

すぐにバスが来る。番号は「A1」となっていた。
あぁ、なるほど。
ホテルの人は「エイト」では無く「エイ」と言ってたのか。
「A」はイタリア語で「ア」と発音する。
(「セリエA」は「セリエ・ア」ね)
最初は「ア・ウノ」とか言ってたのかな?
きっと僕はそれを聞き逃してレセプションの女性に聞き返し、
彼女は「エイ」と言い直したんだろう。
unoという発音は聞き取れたんだけど...。

一応バスの運転手にもチッタ・アルタに行くかどうかを確認すると、OKと。
ただ、このバスが何処を通り何処で降りれば良いか解らなかったので、
地図を広げて何処を通るか聞いてみるが、どうも通じなかった。
たぶん、「大丈夫。チッタ・アルタ行だから」みたいなことを、
“安心しろよ”的な笑顔で言う。
まぁ、いいや。
なんだかベルガモに着いてから、うまくコミュニケーションが取れない。

バスに乗ったまましばらく待つ。
車内は女子高生らしき女の子達なんかで、次第に混んでくる。
やっぱり気になって見ていたんだけど、何故か刻印を押す人はあまり居ない。
みんな回数券とか定期券とかなのかな?
もっともこの状況で、検札があるとはとても思えないけど...。

乗り込んでから10分くらいで、バスはチッタ・アルタに向けて出発した。

さて、これからイタリア滞在最後の散策だ。
7 Jun, 2005「ベルガモ着」End.

ベルガモ駅舎。こじんまりとした普通の建物。しかし、空が相変わらず青い。

駅の向かいに建つ「Hotel Piemontes」。考えてみればこの旅で初めて、普通の「ビル」に泊まる。

部屋は狭いが、シンプルで落ち着いた空間。

バスルームが新しく清潔で、お洒落な感じ。赤の使い方が上手い。

宿泊費は今回の旅では高めの83.6euro。しかも翌朝は早朝出てしまうので朝食は食べられない。右側はホテルのレストランのレシート。夕食は今回毎回このレベル(22.5euro)。

ベルガモの地図。若干イラストっぽいテイスト。地図の真ん中よりやや左上にある城壁に囲まれた部分が、小高い丘の上にあるチッタ・アルタ(旧市街地区)。

バスのチケット(往復分)。ちゃんと往復とも忘れずに刻印してます。