7 Jun, 2005「チッタ・アルタ散策」
■田舎だけどお洒落。

チッタ・アルタは城壁で囲まれた、小高い丘(山?)の上にある街。
ずっと平地にある街ばかりを見てきたので、
ちょっと今までとは雰囲気がだいぶ違う。
北イタリアでは、こういうタイプの街は珍しいらしい。
また、街の北側は、背景に山並みが近景として見えるのも、
今まで寄った街と大きく違うところ。

地図を見ながらバスの行く道を確かめる。
チッタ・アルタとチッタ・バッサ(新市街)を結ぶケーブルカーの駅前で、
一瞬降りるかどうか迷うが、そのままバスで進むことにする。
バスが坂を登っていくと、途中で城壁の門をくぐり抜ける。
そこから先、街を一望できるチッタ・アルタの外側の道を走る。
結構高台なので眺めが良い。かなり遠くまで平野が続く。

結局終点で降りる...と言うか、終点に着いてしまった。
とりあえず地図を見ながら街の中心の方を目指してみる。
アップダウンしつつ曲がりくねった石造りの建物に挟まれた細い道には、
両サイドの建物にポツポツと店が開いている。
たぶん普通の地元の人が営んでいる小売店だと思うけど、
なのにディスプレイ...いや、店内の雰囲気も、どの店も洒落ている。
イタリアはどの街に行っても、どんな小さい店でも、
センスの良いディスプレイがなされていることが多い気がする。
やっぱり国民性か?


小人(森の妖精とかかな?)ワールド。表情豊か。造りが繊細な感じ。

何カ所かで、こういうケーキの様なメロンパンの様なのものが並んでた。激しく食べてみたくなったけど、おなかいっぱいだった。

別のパン屋。メチャメチャ雰囲気が良い。やっぱりパンを買うべきだったか...。中の娘が、頑張って働いている様子がまたイイ。

手作り感溢れるディスプレイ。意外と若い人がやってる店が多かった。

謎の店名「あいうえお壱」。日本っぽいモノは若干置いてあったけど...。

基本的にミニチュアに惹かれる傾向がある。これ、銀細工かな?

雑貨を扱っているショップがあったので、入ってみると、
「禅」と筆字で書かれた灯籠がいくつか売られている。
それ以外は渋谷や原宿にもありそうな雑貨がある店。
特に日本とは関係の無いベルガモという街で、「禅」グッズを売る店。
最近海外で漢字がウケているという証拠?

少し長い下りを降り、城壁の端の方に言ってみる。
先ほどバスで通ったチッタ・アルタの一番外側の通り。
チッタ・バッサや、もっとずっと遠くまでよく見える。
ベンチでいちゃついているカップルがまた、絵になるなぁ。

目の前で停まったFiatから、モデルっぽい奇麗な女性が降りてきた。
昔、「イタリアに行ったら街中美男美女ばかりで、全員モデルかと思った」
という話を知り合いから聞いたことがあったけど、そんなことは無かった。
いや確かに日本人よりは基本的にビジュアルは良いとは思うけど、
“みんなモデル”は言い過ぎだ。逆にそこまで格好良い人はそうそう居ない。
だから、Fiatから降りたモデルっぽい女性は、やはり人目を惹く。
バイクの人が僕の方をずっと見てる気がして、なんだろ?と思ってたら、
やっぱり、僕越しにその女性を見ていたらしい...(笑)

若干息を切らしながら坂を登り、また、チッタ・アルタの中心部へ。
中心の広場の前には2件ほどカフェがあり、少しだけ客が居る。
逆光で真っ黒に見える石造りの塔と、晴れ渡った青い空とのコントラストが、
見たことの無い情緒と空気感を感じさせる。気持ちよい。


イタリア中部の街には、こういった塔が多いらしいが、北イタリアでは珍しい。

スクエアな石造りの塔のエッジと、青空とのコントラストが美しい。

この写真に見覚えありますか?そう。このサイトのトップの写真です。

いやしかし、本当に良い天気だ。
今朝(そう、あれは今日の朝だ。まだ一日経って無い)、
ヴェネツィアを散策している時は、一瞬雲が立ち込めたときがあったが、
それ以外はずっと晴れ。
確か天気予報では、イタリア北部は曇り柄がびっしりと張り付いていたが、
どうやらイタリアでは、一日のうちに少しでも曇る時間があると、
「曇り」ってことなのかな?
少しでも曇ると、ラテン系には晴れとして認められないということか?

あるいは、天気予報が異常に当たらないか....。
後者かも....。

まぁ確かに、陽気なイタリアンに雲り空は似合わない....とは思う。

気がつくと、さっき歩いた道に戻っている。
同じ道を歩くのは勿体無いので、少し戻り、違う道を選び直す。
曲がりくねった細い路地。
街中の道路はすべて石畳なのは、他の街でも珍しく無いが、
ここは丸い石を敷き詰めている場所が多い。
なので細かく凸凹になっている。
坂道ばかりだから滑り止めのつもりかもしれない。
一体何世紀前の土木技術なんだろう....。
ホントにそこいらに普通に生の歴史を感じる...。

細い裏道にある建物の窓からは、何やら歌声が聞こえて来る。
賛美歌だろうか?
雰囲気あるBGM。
一人で聞くのは勿体ないなぁ...。

バスの停留所に戻り、側にあったカフェでジュースを頼む。
歩いてばかりなんで、とにかく汗をかき、喉が渇く。
店頭にいた女の子は、珍しくかなり小柄なイタリア女性。
ちょっとアジアンが入っているかもしれない顔。
可愛い.......が、かなり無愛想。

駅に行くバスは、Aという番号のバスらしい。
路線図には、A1、A2、A3があるが、行き先の停留所に駅の名前が無い。
(Bergamoで探していたので、stazione【駅】を見逃していたかも)
ちなみにA3のバスが来ていたので運転手に聞くと、
やはり駅には行かないと言う。他に何か言っていたがよく解らなかった。
本当に今日は相手の言うことがよく聞き取れないし、想像できない。

しかし、乗ってきたバスはA1だった気がするんだけど...。
路線のバス停とベルガモの地図をよく見比べてみる。
A1〜A3とも途中のバス停まではすべて同じ名前。
しばらく観察。

解った!

A2もA3も駅までは行かないものの、
そのすぐ前のチッタ・バッサの中心のバス停までは、どのバスも同じだ。
どうやらどれに乗ってもそこで降りれば街中で降りれるはず。
チッタ・バッサも少し歩いてみようと思っていた。
そのとき止まっていたA2のバスに乗り込んで待つことにする。

「アウトブス」は、エンジンを切って停まっていた。
ときどき横を通る車の風切り音と、バイクの音が聞こえるだけ。
空は青いし風は気持ちよい。
席に座って待っている間に眠ってしまう。
たぶんこっちに来てから、飛行機以外の乗り物で眠るのは初めてだ。
いつも荷物を取られはしないかと用心していたので...。
何故かここではすごく平和で落ち着いた気分でウトウトしていた。
7 Jun, 2005「チッタ・アルタ散策」End.

レンズの歪みか、本当に建物が歪んでいるのか....。両方かな....(笑)

牧師さん?神父さん?とにかく、そういう人がこういう街を普通に歩いている。そして絵になる。異国だ...。

下り坂の向こうには、山々の遠景が本当は見える(白く飛んだ)。

道は登っているか下っているかのどちらか。住むと大変だけど、やっぱり坂のある街は表情があって好きだ...と、今、平坦な街で暮らして「ラクぅ〜。」と思ってる僕。

そしてこんな古い田舎(?)街にも、日本製バイク...。

城壁の門の向こう側、眼下に広がる新市街。

熱々のカップル。この写真、遠景と近景の露出が違い過ぎたので、それぞれに合わせた2枚の合成。解る?

飛行機が飛んでて、なんかイイなぁ〜と思って撮ったんだけど、見える?

この街のDuomoかな?

程よい賑わいが寂しくなく、丁度良い雰囲気。

こんな道を歩いていて、どこからともなく賛美歌のような合唱の歌声が聞こえてくる訳です。まいっちゃうなぁ。

少しキツい上り坂の路面は、丸い石を敷き詰めてあり凸凹している。たぶん滑り止め。

路地を抜けた向こう側に、低い位置の街並の遠景があるのは、結構新鮮。

こんなひっそりとしたイイ感じの路地は、どこにでも転がっている感じ。

カフェの席から見える風景。風が気持ちよい....。

チッタ・アルタのバス停。ちょうどこの写真の真正面が、チッタ・アルタの中心方向。