8 Jun, 2005「ボーベーから再びパリへ」
■懐かしのボーベー空港

飛行機は離陸するとすぐにコモ湖やマッジョーレ湖の上空を飛ぶ。
まわりの山々と湖の色、湖面の光の反射が絵的だ。
その後すぐにアルプス越えになる。ただ、どれがどの山だかさっぱり...。
富士山を上から見るような解り易さは無い。
アルプスの北側辺りから結構曇り始める。
そこからしばらくの間は、地面があまり見えなかった。
パリの天気は悪いのかな?

折角窓際をゲットしたのに、下が見えなくなったので、
退屈で眠くなる。

30分くらいして目が覚めると、雲が途切れて地面が見えて来ている。
なんとなくまた窓の外を見ていると、
何やら斜め前方のこの飛行機の高度より少し下の空に、
丁度進行方向と垂直に交差する一本の白い線が見えてくる。
「なんだろ?」
しばらくそれがなんだか解らない。
「あっ」
飛行機雲だ。
この飛行機が通る直前に、別の飛行機が少し下の高度を横切ったらしい。
綺麗な空中の白い線の上を一瞬にして通り過ぎる。
電車が橋を超えて小川を渡るような感じだ。
ちょっと嬉しい目撃。
生まれて初めて飛行機雲を上からみたばかりか、跨いでしまった。
そして、最初ボーっと見ていたので、写真は撮り損ねた...。
白い線はみるみる遠ざかって行ってしまった。

雲はボーベーに着く頃にはほとんど無くなった。
結局今日も僕の行く先は良い天気。

着陸後、行きに飛び立つときと同じように滑走路の終点でUターンし、
ターミナルの手前まで移動。
歩いてターミナルに入り、荷物の受け取り所を素通りし、
やはり入国審査無しでロビーに出る。
今日は、機内に忘れ物は無い。

ボーベーの駅まで行き、電車でパリ入りするか、
パリへの直行バスに乗ってしまうかちょっと迷う。
ヨーロッパ初日の思い出深い宿泊地でありながら、ほぼ素通りした街中を、
もう一度見てみたい気持ちがあったので...。
ただ、列車の乗り継ぎ時間も読めないし、I君の家まで急ぎたかったので、
後ろ髪を引かれる思いで、パリに直行することにする。
きっとボーベーにもまた来るだろう。なんせライアンエアーは安い。

両替所で1万円分だけユーロに両替する。
ついでにバスのチケットはどこで買えるか聞くと、その両替所で買えた。
ほんとにヨーロッパの乗り物のチケットはどこで売ってるか解らん...。

バスの入り口には屈強な感じの黒人が立ってる。
警備の人かな?...と思ったら、この人が運転手らしい。
パリ行きかどうかをチケットを見せ確認してから乗り込む。
パリまでの風景はたぶん単調なので、iBookを開き日記を書き始める。

パリに近づくに連れ、ハイウェイは込み始める。
二人乗りで職場に向かうライダーが少なく無い。
日本と同じようにスリ抜けもする。
首都高のように狭くは無いし、渋滞と言っても日本程じゃ無いから、
タンデムで通勤している姿もなんとなくおおらか。
日本もこの春やっと(70年代の暴走族対策を今年まで引っ張られた)、
高速道路のバイク二人乗りが解禁になったけど、
首都高だけ何故か(ホントに意味不明)相変わらず禁止のままなので、
こういう通勤風景は微妙に違和感がある。

バスが止まった。
途中、停留所も無く、いきなり終点らしい。
ここは一体どこだ?
隣に座っていた女性に、地図を見せてここはどこかを聞く。
「よくわからないけど、この辺...」と、17区あたりを指でクルっとまわす。
「地下鉄で行くけど、一緒に行く?」と誘われるが、
まずはI君のところに電話を入れてから考えようと思い、丁重に断る。

目の前にコンコルド・ホテルという、近代的な背の高いビルがある。
これを電話に出たWちゃんに伝えると、ここは凱旋門の近くだと言う。
が、辺りを見回しても凱旋門は見えない....。
そこからなら地下鉄の1号線に乗れば、4号に乗り換えて来れる....と。
まぁとにかく、地下鉄の入り口を探してみることにする。

気がつくと、バスを降りた人たちが誰も居なくなっている。
バスターミナルとは思えない程閑散としている...って言うか、ただの駐車場。
何人かが進んでいった方向に少し進むが、
どうしても駅がある様な雰囲気には思えなかったので、
途中で戻り、違う道を進み始める(これが間違っていた)。
手持ちのパリの地図はガイドブックのものだけなので、
細かい道の名前は出ていない。
周辺の道の名前を地図上の17区辺りで探すが、どうも見つからない。
しばらく行くとバス停があり、そこに路線図がある。
比較的地図に近いリアルなデザインの路線図。
しかし、ガイドブックの地図と見比べても、
バス停の路線図にある地名が一つも見つけられない。
交差点の地形で場所を探そうとしても、いまいち....。

パリの中心と思われる方向に歩いて行く。
だれかに聞こうかと思うが、あまり人も歩いて居ないし、
居てもなんとなく訪ねにくい雰囲気。

とある広い通りの横断歩道を渡っている途中、横を見ると、
その広い道の先には、パリの超有名観光地「凱旋門」。
ようやく自分の居る位置が検討が着く。

横断歩道を渡り終えたところで地図と回りを見比べていると、
目の前にBMW1150RTに乗った人が赤信号で停まる。
「Nice Bike.」と言うとは無しに口にすると、
「Can you speak english? French?」と聞くので、英語だと答える。
どこに行きたいのか?と聞くので、
地図を見せながらリュクサンブール公園だと言う。
「Walk?」と、人差し指と中指で歩く仕草をして聞いて来る。
「いや、メトロで。」と答えると、
「あぁゴメン。いつもバイクだから地下鉄のことはよく知らないんだ」。
「僕も同じだ。日本では(笑)」と、ひとときのライダー同士の国際交流。
とりあえず、今居る場所だけを地図で教えてもらう。
グラツィ.....じゃなかった、メルシー。

さて、折角見えたので凱旋門の表側まで周り、記念撮影してから、
地下鉄の入り口を降りて行く。

初日以来のパリの地下鉄。
初日に買って残ってた回数券を出し、自動改札を通る。
行き先を確認し乗車。同じ扉から日本人の女性2人が乗る。
慣れた感じだし軽装なので旅行者には見えなかったけど、
あるいは数日同じ線を利用した単なる観光客かもしれない。
たまに見かける日本人が、何故、今、ここに居るのかが気になる。
自分がこんな理由なので....。

路線図をよく見ると、4号に乗り換えるより12号に乗り換えた方が、
駅からI君のアパートまでの距離は近そうなので、コンコルド駅で乗り換え。
電車が停まる寸前に半自動ドアのボタンを押して開け、
いかにも慣れた風を装う....が、
自分で開けるのは初めてなので、妙な緊張感を醸し出していたかもしれない。

ノートルダム・デ・シャン駅で降りると、
I君のアパートの方面に近いと思われる出口に向かう。
地上に出て、3〜4分歩くとIくんのアパートのある通りに出る。
あれ?初日と印象が違う。
地図を見直す。たぶん先に来過ぎだ。
戻りつつ見覚えのある建物を探す。建物の番号は忘れた...。
それらしい建物の前で電話をすると、違う建物の前に居るらしい。
電話に出たWちゃんが説明を迷っている間に歩いていると、
「あっ、見えた!」と、Wちゃん。
アパートの前に着く。

ホントに長い長い6日振りの再会。
8 Jun, 2005「ボーベーから再びパリへ」End.

ベルガモ離陸後、すぐの風景。何湖だろう?とにかく湖水地方と呼ばれるあたりだと思う。

アルプス越え.....のはず。

空から見る、どこまでも続くのどかなフランスの田園風景。きっと大昔、全部森林だったんだろうなぁ〜と考えると...。

田園風景を見ただけで自然破壊を連想するのに、とどめの一発...いや一撮。

ハイ。いきなりバスの中。空港で一枚も撮って無い...。しかし、ちょっと日本的なバス車内。

パリまでのバスのチケット。13ユーロ=¥1,800くらい。1時間くらい乗るんだけど、ちょっと高いか。

そしていきなり「凱旋門」。ちょっと木が邪魔をしている変な写真だけど、凱旋門に愛情注げなかったんで....。

たぶん凱旋門の下の「シャルル・ド・ゴール・エトワール駅」のホーム。印象無いなぁ....忘れた。

I君夫妻の住んでいるアパート。なかなかイイ感じでくたびれていてお洒落。
前を歩いているオバちゃん(?)と比較すると、玄関ドアの大きさから天井の高さが想像つく?これでもパリのアパートとしては小さい部類だそうで...。
しかし、安物デジカメのレンズの歪みがよく解る(笑)