■パリのバイク街はお洒落。

なにやら民族衣装的（？）な服を着たおじいさんたちが、
シャンゼリゼ大通りの凱旋門前の歩道に並んで立っている。
いろんな国の旗を持っているが、何かイベントでもあるんだろうか？

凱旋門を一回りするロータリーは相当な混み具合。
道幅自体は広いが、四方八方から入ってくる車をすべて受け入れるため、
完全な自動車のカオス状態。
これだけ交通量が多いと、信号が無くてスムーズに見えるロータリー方式は、
既に崩壊している感があるが...。

凱旋門の西側はバイク屋が何件も並んでいる通りになっている。
僕が「パリにバイク屋は無いの？」と初日に聞いていたんだけど、
Ｉ君達が「そう言えば」と、ここの通りを思い出したそうで。
地図を見てから解ったんだけど、今朝パリにバスで着いたとき、
最初に進み始めた方向を途中で戻らなければここを歩いていたはず。
もっとも時間が早かったから、店は閉まってたかな...。

凱旋門を過ぎ、少し先に行ったところで降ろしてもらう。
この辺りは、路上駐車で一杯で停めるスペース無さそうだし、
バイク屋巡りにつき合ってもらうのも気が引けたので、
20分後くらいに同じ場所で拾ってもらうことにする。

広い通りの両サイドの歩道に面して、
バイク屋や用品屋（や車のディーラーも）が並んでいる。
建物は古い石造りのまま、中が奇麗な店舗になっている。
日本で言えば、少し前の上野のバイク街と言ったところだろうが、
店の様子は日本と違ってどこも随分お洒落な感じだ。

イタリアのバイク向けのアパレルブランドの、
『SPIDI』のショップがあったので入ってみる。
日本より品揃えがかなり豊富だ。
と言うか、日本にSPIDIの専門店は無いから比較のしようが無い。
「どうせならイタリアでSPIDIの店を探せば良かった....」と一瞬思うが、
やっぱり荷物になるし、やはりちょっと躊躇する値段...。
価格自体は日本とそれ程変らない（気がする）。
しかし、大抵の日本のバイク用のアパレルは、
機能的なモノ程「何の隊員ですか？」という感じだし、
ちょっと街着に振ったデザインだと「ホントにバイクウェア？」
という程、まったく機能的には役に立たない...。
なので、機能は勿論、比較的センスも良いSPIDIの品揃えが豊富だと、
ちょっと物欲が頭をもたげてくる....。
誰か日本でも、お洒落で機能的なバイクウェアを、
そこそこの値段で作ってください。

HONDAのショップに入ってみた。
当たり前だけど、輸出仕様で日本では売っていない車種が多い。
或は日本生産では無く、イタリアホンダあたりの製品かもしれない。
そういう中にあった１台、CRF450というモタード系バイクが、
最近のホンダにしては意外とイケてる。
水冷エンジンにアルミツインチューブのフレーム。
車体構成を見ると最新の技術をてんこ盛りにしました....という、
いかにも日本製高性能車という感じだけど、
デザインがありがちでは無いところが、逆に国産っぽくなくて良い。
こういうの、日本でも売れば良いのに....と思うけど、
大抵、玄人ウケするバイク程、日本では売れない。
で、そのテのバイクがヨーロッパではちゃんと売ってるところを見ると、
やっぱり日本のバイク文化は、まだ幼稚なのかな....。

パリでもイタリアでも日本製のバイクがかなり多い。
全体の半分は日本車という印象（言い過ぎかな？）。
なんて言うか、こちらの古い街並みで国産バイクを見ると、
その異質な（ガンダムとかアニメ的な）デザインが意外に中々似合う。
車体価格はそう安く無いと思うんだけど、
やはり適当に安価で「高性能」「壊れない」。
そして、高級では無いが「先進的なデザイン」。
ってところが、ウケる理由なのかなぁ〜？と、改めて思った。
日本製品のデザインも悪く無い。
伝統の重さはまったく感じないけど（笑）

思ってたより興味深いモノがいろいろあったので、
少し待ち合わせ時間を過ぎてしまった。
降ろしてもらった場所に戻るが、ベンツは居ない。
７〜８分待つと、Ｉ君の運転するベンツが現れた。
僕が居なかったので、停まれずもう一回りしてきたらしい。
いやいや、ごめんごめん。

まだ全然明るいのだが、この時点で既に6時半。
ちょうどＡさんからＩ君の携帯に電話が掛かってくる。
そう。香港国際空港で知り合ったあのＡさんだ。
２〜３日前にＡさんからＩ君に電話があって、
僕がいつパリに戻って来るかを聞いてきてたらしい。
今、ルーブルに居るとのことなので、
７時半頃、彼女が泊っているモンパルナスのホテルで待ち合わせ、
彼女を拾うことにする。

通勤帰りの渋滞タイムなんだろうか？
道はどこも混み始めていた。