7 Jun, 2005「ブレーシャ乗換で」
■ミニ・ゴジラとおばあちゃんのピザ

切符を見ず、11時台出発の列車だった...という記憶のみから、
10時45分ころ駅に到着すると、列車は11時52分だった。
駅に来るのが早すぎた...。
構内にあるカフェはスタンドタイプばかりだったので、
表側のテラス席に行き、そこでカプチーノをいただく。

ウェイターはイタリア人っぽくない。
どちらかと言うとフランス人っぽい振る舞いをする感じ....。
いや、あくまでイメージだけど。
典型的なフランス人を知っている訳じゃ無い。

黒人の女性がテーブル席に座ったまま何も注文しないでいると、
ウェイターがその女性に「困ります....」と伝えている(ように見える)。
どうやらその黒人女性は、ここを駅の休憩所と思ったらしい。
彼女は自分は間違って無いという感じで頭を振って出て行く。
いや、明らかに間違ってると思いますが....。

店に入ってから30分程した頃、そのウェイターが席にやって来る。
自分が時間で上がってしまうので、
先に支払いをお願いします....ということらしい。
勿論極めてにこやかに、紳士的に。
注文を取った人数での歩合給でもあるのかな?
それとも自分が接客した相手は最後まで責任を持つシステムなのか?
まぁとにかく、彼にお金を払った。

出発の10分程前にホームに行く。
真っすぐ指定の車両の入り口まで歩いて行くが、
例の黄色い機械で刻印するのを忘れ、一度ホームの入り口に戻る。
今日の列車は時間通りに出た。
コンパートメントに乗り込むと、
カナダから来たという女性2人+11ヶ月のベイビー。
(今日はカナダ人デーか?)
年上の女性の年齢は解らないけど、子供のお母さんの方は35歳だと言う。
他に2人組の高校生(にはとても見えないけど)。
ひとりはマット・デーモン似。最初は英語が解らないと思ったくらい無口。
もうひとりはガリ勉っぽい。ずっと本を読んでいる。

この女性2人組はとにかくよくしゃべる。
たぶん年上の人はお母さんの親だろうと思う。
赤ちゃんの相手をしているという理由もあるが、とにかくしゃべる。
赤ちゃんはかなりかわいい。なぜか僕になついてくれる。
とにかく忙しく動き回る。小さなゴジラ。
お母さん曰く、動き回っている時は機嫌が良いときだそうで...。
とにかく何にでも興味を示す。
あぁ、iBookにヨダレ垂らさないでね.....(笑)

35歳のお母さんは、結婚して10年で子供がやっと出来たと言っていた。
子供は諦めていたので、凄く幸せだとも。
彼女の子供に対する仕草からは、その気持ちは伝わる気がした。

2人の高校生組は、最初、20代の半ばくらいかと思った。
白人や黒人の歳って解らないなぁ...。たいてい上に感じる。
ちなみに僕が39だと言ったら、もっと全然若く見えるらしい。
逆に日本人(東洋人)は若く見られるんだろうね。
もっとも40歳近い大人は、
普通バックパッカーをしない....ということかもしれない。
この2人、ガリ勉くんの方はとうとう一度も口を聞かなかったが、
マット・デーモンも、相づちこを打つもののあまりしゃべらない。
とは言え時々ニコっともするし、何か自分から少し話したりもする。
最初は暗い奴かと思ったけど、単にクールなヤツなのか?(笑)

乗り換えのブレーシャ駅が近づいたので、
みんなに別れを言ってコンパートメントを出る。
Have a nice day ! Ciao!

ベルガモ行きの電車はどうやら1時間程後のようだ。
チケットにブレーシャ着と乗り継ぎのベルガモ行きの時間を書いてくれた、
昨日のベネツィアのチケット売り場の親切な窓口のおじさん。
全然時間間違ってるよ... (^^;

とりあえずおなかが空いたので、駅前に出てみる。
2〜3件カフェやトラットリアがあったが、
ファーストフードっぽいピッツェリアに入ってみる。
美味しい生ハムかサラミのサンドウィッチでも無いかなぁ〜と。
まぁ、やっぱりと言うか、イイ感じのおばあちゃんが仕切ってました。
ファーストフード店だと言っても、若い人は居ません。
やはり生ハムが美味そうなので、パニーニのサンドイッチを頼み、
水(当然、con gas!)のペットボトルを購入。

で、
しまった。食べ始めてから気づいた。
ここはピッツェリアだった。
あまりに生ハムが美味そうに見えて、ピザはすっかり視界に入らず...。
イタリアに来て以来、なんとなく胃がもたれそうな気がして、
まだ一度もピザを食べていない。今日がラストチャンスだった。
しかし食べ始めたパニーニは結構デカい。
これ食べたらピザ喰えないかな?
でもやっぱり食べたくて、ピザも追加。
直径が30〜35cmくらいのピザの半分が1.30ユーロだった。安い。
少しオーブンで暖めてくれる。

美味い。
焼きたてでもなく、値段も安いのに、なんだかやけに美味い。
でかいサンドイッチを食べた直後なので、
腹が減っている訳でも無いのに、美味い。
恐るべしイタリアン....の普通の店。

発車の15分ほど前に駅に戻る。
トイレを探すとUno Binario(1番線)の横に有料トイレが。
ここは自動扉では無くて、黒人の係の人が座っている。
その人に利用料の50euro centを渡す。
トイレ内はそこそこ奇麗。

ベルガモ行きの列車は折り返しで、少し待つとホームに入って来た。
側に居た若者に一応ベルガモに行くかを確認。
無愛想に「Si」と答えてくれる。
これもすっかりこの旅で慣れたやり方。

乗り込むと、ベルガモから最初に乗った列車と同じデザイン...かな?
なんだかイタリア初日の感覚がちょっと蘇る。
初日も今日と同じく晴れた暑い日(ずっとだ)で、車内は空いていた。
定刻通り出発。

途中、窓から空を見上げると、
上空を飛行機が段々高度を下げて、列車と同じ方向に飛んで行く。
ベルガモの空港も近いらしい...。

45分ほどでベルガモ駅。
後ろ側のシートに居た人に、次はベルガモか?と一応聞く。
まぁ、間違いは無いと思っていたんだけど、
この列車はベルガモが終点では無かったので...。
ホームに滑り込むときに、駅名の看板を確認。

4日振りのベルガモ。
なんだか懐かしい感じ...。
7 Jun, 2005「ブレーシャ乗換で」End.

ヴェネツィア・サンタ・ルチアの駅前。

ミラノ行きのICに乗る。途中駅「ブレーシャ」でベルガモ行きに乗り換え。

再三話しに出て来た切符の刻印機。このように切符を入れると刻印される。ホームの端に必ずある。うっかりすると今日のように刻印を忘れ、検札で見つかると切符を持っていても罰金(らしい)。

ミニ・ゴジラ。手にしている「武器」は、おばあちゃんの杖。赤ちゃんの後ろで鞄を抱えて座っているのが、マット・デーモン似の高校生。右端で指を出しているのがガリ勉君...って、ずっと「我関せず」で本を読んでると思ってた...。

赤ちゃんとお母さん。このお母さんが年下かと思うと...。

カメラ目線が女です...。

ブレーシャ駅のホーム。左側の列車がここまで乗って来たミラノ行きIC。

ブレーシャ駅舎。レンガ造りで少し東京駅に似ている。

上の写真と同じ場所から街側を撮る。こじんまりとして小奇麗な印象の街並。

安い暖めただけのピザが、驚く程美味かった駅前の店。勿論生ハムのパニーニも満足。

有料トイレのレシート。0.50euro。トイレに入るのに「領収書」を貰えると思ってなかったので、ちょっと意外な感じ。

ブレーシャ駅出発。偶然の途中下車で、本場の美味しいピザを食べることが出来た。たぶん、こっちでは普通のピザなんだろうけど...。でもあのピザが180円で喰えるのは、やっぱり羨ましい。

「世界の車窓から」....何回目だっけ?家々は割と普通だけど、やはり石造りの教会の鐘楼がある風景は異国情緒を感じる。
しかし天気が良く気持ちが良かった。この頃から日本に帰りたく無い病を発病(笑)

4日降りのベルガモ駅のホーム。たった4日なのに妙に懐かしい感じと、旅の終わりが近付いた寂しさが入り交じる。